EV(電気自動車)は海外に送れない?!
- shogo shirako
- 1月20日
- 読了時間: 4分
最近は、世の中「猫も杓子もEV」という雰囲気があります。
新車のニュースを見ても、メーカーの発表を見ても、
とにかくEV、EV、EV。
いかにも「もう全部EVになる」ような空気感がありました。
ただ、実際の販売台数を見ると、EVよりもハイブリッド(HV)の方が売れている、
というデータも珍しくありません。
イメージと現実が、少しズレている。
ここは一度、冷静に見ておくポイントです。
とはいえ、EVが珍しい存在でなくなったのも事実。
世にEVが出てからすでにそれなりの年数が経ち、
中古車市場にもEVが当たり前に並ぶようになってきました。
新車ではなく、
「今乗っているEVを海外に持って行きたい」
「中古で買ったEVを輸出したい」
そんな相談が、ぽつぽつ出てくる段階に入っています。
ここで問題になるのが、
EVという車種になった瞬間、輸出実務が一気に難しくなるという点です。
----------------------- 「この車を海外に送りたいんですけど」
という、いつものご相談。
車種を聞いて、年式を聞いて、
「ちなみにガソリンですか?HVですか?」
ここまでは普通です。
で、
「EVです」と言われた瞬間。
実務が、一回止まります。 ブースターかシャワーズか、みたいな軽い話じゃ済まない。
ああ、なるほどEVか。
じゃあ船を先に確認しないとですね。
という流れに、ほぼ自動的になります。
EVは「輸出できない車」ではない
まず誤解されがちなので先に言います。
EVは違法でも、輸出禁止でもありません。
書類上は、普通に輸出できる車です。
ただし問題はそこじゃない。
船会社が引き受けるかどうか。
ここが、ガソリン車やHVと決定的に違います。
背景にあるのは、EVバッテリーの火災リスク。
ここ数年、この点に対して船会社がかなり敏感に反応しています。
実務的に一番厳しいのはRoRo船
「車ならRoRoですよね?」
そう思われがちですが、EVに関してはRoRoが一番ハードル高い。
実際のところ、EVを引き受けているRoRo船会社は
ごくごくごくごくごく一部です。
コンテナよりRoRo船会社の方が引受先が少ない。
ここ、かなり重要なポイントです。
理由は単純で、
・車両が密集して積まれる
・火災時の延焼リスクが高い
・消火が難しい
このリスクを
RoRo船会社が強く嫌がっています。
その結果、
・EVは全面不可
・特定メーカーのみ可
・SOC(充電残量)制限
・年式制限あり
といった条件が並びます。
しかも、条件は固定ではありません。
昨日OKでも今日はNG。
普通にあります。
コンテナは「楽ではないが、まだ可能性が残る」
一方、コンテナ。
こちらもEV不可の船会社は多いです。
ただ、実務感覚としては、RoRoよりはまだ探せる余地がある。
ただし、
・初度登録から7年以内
・バッテリー状態の事前申告
・船会社独自の確認事項
こういった条件はほぼ確実に付きます。
「コンテナなら何でもOK」
という話ではありません。
ただ、RoRoで完全に詰むよりは可能性が残る。
この違いです。
「輸出できる」と「船に載る」は別の話
EVで一番多いつまずきがここ。
通関できるかどうかと、船に載るかどうかは別問題です。
書類は問題なし。
でも船会社がNG。
このパターン、珍しくありません。
違法ではありません。
ただ、実務上はスケジュールが読めず、時間もコストも増えやすい。
これがEV輸出の現実です。
当社の立ち位置として
当社は車両輸出代行業者です。
日本国内での引き取りから、輸出通関、船積み、現地港到着、
B/L(Bill of Lading)引き渡しまでが業務範囲です。
EVの場合は特に、
「この車が送れるか」より先に、
「どの船会社が、今、引き受けるか」
を一台ずつ確認して進めます。
そのため、
・必ずRoRoで出せる
・必ずこの日程で出る
というお約束はできません。
また、B/L引き渡し後の
現地側での輸入通関、検査、登録可否は当社の管理範囲外です。
EVは国によって、
・輸入はできても登録できない
・追加検査が必要
というケースもあります。
ここは必ず、現地のCONSIGNEEや通関業者へ事前確認が必要です。
まとめ
EVは、「最初から送れない車」ではありません。
ただし、車種がEVだと分かった瞬間、実務は一段階シビアになります。
・RoRoは引受先が極端に少ない
・コンテナの方がまだ可能性が残る
・条件は流動的
・船会社判断が最優先
EV輸出は、車の話をする前に船の話から始まる。
ここを理解しているかどうかで、結果は大きく変わります。
ご自身のケースに当てはまるか確認したい方は、
こちらからご相談ください。


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