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輸出通関の「申告」って何をしてる?コンテナに車+荷物を入れたときに詰みやすいポイントまとめ

  • 執筆者の写真: shogo shirako
    shogo shirako
  • 5 時間前
  • 読了時間: 7分

車を海外に送る話をしていると、だいたい途中で出てくるのがこれです。

「申告って、いったいなんですか?」


正直に言うと、ここが分かると輸出が一気に“現実的”になります。

逆にここがふわっとしたままだと、コンテナの中身が増えた瞬間に難易度が跳ねます。


まず結論からいきます。

申告は「税関に、箱の中身の自己紹介をする作業」です。

(注:申告=税関に「何を」「いくらで」「どこへ」出すかを正式に伝える手続き。)


そして車輸出で一番ややこしくなるのが、だいたいこのパターン。

「車だけじゃなく、部品とか荷物も一緒に入れたい。」


やれます。

ただし“申告の作り方”が変わります。



まず出てくる「大額・少額」って何?


車の場合はあまり意識するものではないものです。

ここ、言葉が強いわりに意味はシンプルです。

1品目が20万円を超えるか、20万円以下かの話です。

(注:1品目=ざっくり言うと「同じ種類としてまとめられる単位」。)


税関の書式上も、20万円以下の品目が複数ある場合は、申告書の欄に取りまとめて書けるルールがあります。

代表的な品名に「等」を付けたり、統計品目番号(※)を×にしたり、数量を書かない扱いが出てきます。

(注:統計品目番号=いわゆるHSコードの“日本の統計用番号”です。)


さらに、1品目20万円以下は「少額貨物簡易通関扱い」という考え方もあります。

この扱いだと、書類上「統計品目番号を書かなくていい」などの簡略が出ます。

※ 少額扱いでも、内容次第で確認や書類が必要になることがあります。

(“何でも簡単”ではありません)



で、車はどうなるの?

ほとんどの場合、車両本体は20万円を超えるので「大額」側です。

つまり、車だけなら話は単純。

問題は「車+細かいもの」を入れ始めた瞬間に、申告の設計が必要になる、という点です。

(注:実務ではNACCSという通関システム上でも「大額/少額」で入力の枠や扱いが分かれます。)




コンテナに車以外を入れたら、申告はどうなる?


結論はこれです。

入っているものは、基本ぜんぶ申告対象です。

「車のついでに入れただけ」は、税関から見ると理由になりません。


特にコンテナは「箱の中が見えない」ので、書類の正確さが重要になります。

(注:インボイス=貨物の明細と金額を書いた書類。売買がなくても“評価額の根拠”として使われます。)

(注:パッキングリスト=コンテナの中身リスト。)



ここで大事なのは、“何を入れるか”を先に3つに分けることです。

① 車にくっついているもの(装備として一体)

② 車とは別モノの「部品・用品」

③ 引っ越し荷物(生活用品・私物)



この③が入った瞬間、難易度が上がりやすいです。

理由は次で話します。



「くっついてる装備」と「予備部品」は、扱いが別になりやすい


ここ、よく勘違いが起きます。

「ドラレコもあるし、部品もあるけど、全部“車の一部”ですよね?」

体感としては、こう分けると事故りにくいです。

車に固定されていて、走行に必要な装備として一体になっているものは「車両側」に寄ります。

一方で、箱に入れた予備部品は「別品目」になりやすい。

例でいきます。

· くっついてる側:純正ナビ、オーディオ、固定したドラレコ、固定したETCなど

· 別になりやすい側:予備ヘッドライト、バンパー、予備ホイール、外したパーツ、未取付の用品など


ポイントは「固定されているか」と「予備として持たせているか」。

税関的にも、現地側の通関的にも、予備部品は“部品としての説明”が必要になりがちです。



なので、部品を入れるなら最低限この3点を用意すると強いです。

· 品名(できれば具体的に)

· 数量

· だいたいの金額(新品価格でも中古相場でも、根拠が説明できる形)



ここを曖昧にすると、確認が増えやすいです。

確認が増える=スケジュールが読みにくくなる、につながります。



(ついでに小ネタ。)

部品が多い人ほど「少額がたくさん」になりやすいので、さっきの大額・少額の話が効いてきます。



引っ越し荷物を一緒に入れると「別送品でいけるっしょ」が通りにくい


ここ、今回いちばん言いたいところです。

「移住だから、引っ越し荷物だし、別送品扱いで簡単にできませんか?」


気持ちは分かります。

でも車と同梱すると、“別送品っぽいノリ”では進みにくいことが多いです。


理由は2つあります。

1つ目。旅客の携帯品・別送品の枠(旅具通関扱い)は、そもそも自動車が除外されています。

つまり「車を別送品としてサクッと」は、制度上のイメージとズレやすい。


2つ目。引っ越し荷物は、相手国側で「個人の生活用品としての免税・簡易扱い」がある国もありますが、それは相手国のルールです。

しかも多くの場合、必要書類・在留資格・入国日との関係・リスト形式など条件が細かい。

そこに車(登録・検査・税金が重い貨物)が混ざると、現地側で手続きが分岐して面倒になりやすいです。



結局どうするのが安全?

まずはCONSIGNEE(注:現地で受け取って通関を進める人)か現地通関業者に、これを先に聞くのが一番早いです。

· 「車と私物を同じコンテナに入れて、通関できますか?」

· 「車と私物で申告を分ける必要がありますか?」

· 「私物側をPersonal Effects扱いにする条件は何ですか?」


ここを確認せずに「たぶん大丈夫」で詰め込むと、止まった時に直しにくいです。

(日本側でできるのはB/L引き渡しまでなので、なおさら先に聞くのが安いです。)



申告で詰まないための、現実的なチェックリスト


これ以上長い話にしないために、最後はこれだけにします。


1) コンテナに入れるものを、出発前に“棚卸し”する。

車/部品/引っ越し荷物。この3分類だけでも先にやると、後工程がラクです。

2) 「くっついてる装備」と「箱に入れた部品」を分けてメモする。

ドラレコが固定なら車寄り。予備ヘッドライトは部品寄り。この切り分けがあるだけで、申告が作りやすくなります。

3) 金額は“0円”にしない。

売買じゃなくても、税関や現地当局は価値ベースで見ます。「だいたいこれくらい」は用意しておくのが結局いちばん早いです。



当社の立ち位置も、念のため整理しておきます


当社は個人向け車両の輸出代行業者で、中古車の在庫販売はしていません。

日本側で担当するのは、日本国内での引き取り →輸出抹消(書類手続き) → 輸出通関 → 船積み → 現地港到着 → B/L(船荷証券)の引き渡しまでです。

B/L引き渡しをもって、日本側の輸出業務は完了です。

その後の現地側(輸入通関、関税・税金、検査、登録、保険、引き取り等)は当社の管理責任範囲外になります。


まず前提として、車そのものの所有者はお客様ご本人に帰属します。(所有権はお客様のままです。)

ただ、輸出を円滑に進めることと、日本側の書類業務を当社が代行できる形にするために、輸出における名義(輸出抹消・SHIPPER)は、原則として当社関連会社名義に統一して進めます。

(注:SHIPPER=B/L上の荷送人。通関上の「輸出者」として扱われることがあります。

注:輸出抹消=日本の登録を止めて海外へ出す前提にする手続きです。)


一方で、免税対応などの理由で、個人がSHIPPER(シッパー)となる必要があるケースがあります。

この場合は、当社側で輸出抹消処理を代行するのが難しくなるため、輸出抹消はご本人様に行っていただく必要があります。

また、個人名義で進めると税関側の確認事項が増えやすく、スケジュールが読みづらくなることがあります。

違法という話ではなく、単純に「確認が増えるぶん、止まりやすい」という実務上の話です。 そのため、個人名義SHIPPERの場合は別途費用がかかります。 また、CONSIGNEEの選定や現地通関業者とのやり取りは、お客様側でのご判断・ご対応となります。

最後に、よくある注意点を1行ずつ。

免税=誰でも自動でできる、ではありません。

輸出できても、現地で登録できないケースは普通にあります。

検査内容は国ごとに大きく違います。

B/L引き渡し後は当社の管理外です。



まとめ

申告で一番痛感するのは「中身が増えるほど、説明が必要になる」ってことです。

車だけならシンプル。車+部品+引っ越し荷物になった瞬間に、先に棚卸しした人が勝ちます。




ご自身のケースに当てはまるか確認したい方は、

こちらからご相談ください。

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