ニュージーランドに日本の車を持っていく前に読む話〜検査・登録・免税・ローンの落とし穴まで全部まとめ〜
- shogo shirako
- 2025年12月19日
- 読了時間: 10分
更新日:1月13日
「ニュージーランドに日本の車を持っていきたいんだけど、何から調べればいいの?」
ここ1ヶ月、この手の検索がかなり増えています。
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ローン残ってても輸出できる?
というわけで今回は、NZ向けに個人で車を輸出する人が、だいたい全部つまずくポイントを一気にまとめます。
① ニュージーランドの輸入車検査、どこが厳しい?
〜年式・クラス規制はNZTA基準がベース〜
結論から言うと、
ニュージーランドは「安全・錆・年式・車両クラス」にかなり厳しい
です。
そしてこれらの判断は、NZTA(New Zealand Transport Agency / Waka Kotahi)が定める基準をベースに行われます。
日本で普通に走っていた車でも、年式や車両クラス(型式・用途)によっては、検査以前に制限がかかることがあります。
■ 年式規制は「NZTAの安全・排ガス基準」が基準
ニュージーランドでは、
車両の初度登録年
製造年
当時の安全基準・排ガス基準
をもとに、NZTAが定める基準への適合可否が見られます。
特に注意が必要なのは👇
年式が古い車両
現在の安全基準が存在しなかった世代の車
排ガス規制が緩かった時代のモデル
日本の車検に通っていても、NZTA基準では追加確認や制限が入ることがあります。
■ 「型式」ではなく「車両クラス」で見られる点が重要
もう一つ大事なのがここ。
ニュージーランドでは、
日本でいう「型式」よりも、NZTA上の「車両クラス・用途区分」
が重視されます。
たとえば、
乗用車か
商用車か
特殊用途車か
によって、
適用される安全基準
検査項目
要求される修正内容
が変わることがあります。
同じ年式・同じモデルでも、クラス判定が違うと検査の厳しさが変わるという点は要注意です。
■ NZTA基準に合わないとどうなる?
実務上よくあるのは👇
年式・クラスの関係で追加の安全確認を求められる
当時の設計が現行基準と合わず是正指示が出る
最悪の場合、登録自体ができない
👉 オークション評価点や日本での状態が良くても、NZTA基準に合わなければ通りません。
■ 錆・修復歴・下回りチェックは引き続き最重要
年式・クラス以前に、車両の物理的コンディションも当然厳しく見られます。
特にチェックされるのは👇
フレーム・シャーシの歪み
下回りの錆・腐食
修復歴の有無
シートベルト・エアバッグなどの安全装備
日本では「使用上問題なし」でも、NZでは 「構造上NG」 と判断されることがあります。
■ NZ向けで一番リスクが高い車の特徴
正直な話、
年式が古く、クラス判定が微妙な車ほどリスクが高い
です。
安さ重視で選ばれた車
日本国内向け仕様のみを想定したモデル
錆が出やすい環境で使われていた車
これらは、
検査NG
追加修理
登録不可
につながる確率が一気に上がります。
■ 結論:NZ向けは「NZTA基準で見てOKか」が最優先
ニュージーランド向けの車選びは、
日本で売れるかではなく
NZTAの年式・クラス基準で問題ないか
が最優先です。
「この年式・この車両クラス、NZTA基準で通る?」
ここを 輸出前に確認できるかどうか が、失敗するかしないかの分かれ目です。
補足:ニュージーランドの「クラシックカー規定」について
「年式が古い車は全部ダメ?」と思われがちですが、実は 例外枠 があります。
それが、クラシックカー(Classic / Special Interest Vehicle)規定です。
この考え方も、NZTA(Waka Kotahi)の基準に基づいて運用されています。
クラシックカー扱いになる可能性がある車とは?
一般的には、
製造から20年以上経過している車
現在では一般的に流通していないモデル
歴史的・趣味性・コレクション性がある車
などが対象になる可能性があります。
※ ただし「古い=自動的にクラシック」ではありません。
クラシックカー枠の特徴
クラシックカー扱いになると、
年式による一部規制が緩和される
当時の設計基準を前提に評価される
といった 例外的な扱い を受けられることがあります。
そのため、
年式が古くて通常枠では厳しい車
現行基準を満たせない設計の車
でも、クラシックカー枠で登録できる可能性が出てきます。
ただし、かなり注意点あり
ここが大事です。
クラシックカー規定は「救済措置」ではありません。
以下の点は普通に見られます。
車両の安全状態
構造的な健全性
錆・腐食・修復歴
本当に趣味・保存目的か
特に、
日常使用前提
商業利用
明らかな実用車
と判断されると、クラシック扱いは認められません。
クラシックカーでも「検査はある」
誤解されやすいですが、
クラシックカー=検査が甘い
ではありません。
ブレーキ
ステアリング
フレーム
下回り
など、安全に関わる部分はしっかり見られます。
「古いから仕方ない」は通用しません。
クラシックカー規定を検討する場合の注意点
この枠を使う場合は、
年式
モデルの位置づけ
使用目的
車両状態
NZTA上での扱い
を 事前に整理・確認 する必要があります。
通常の輸出よりも、
事前確認
書類説明
現地側との調整
が増えるため、追加の確認・対応費用が発生するケースが多いです。
まとめ:クラシックカーは「使えることもあるが、万能ではない」
NZにはクラシックカー規定が存在する
年式・クラス規制の例外になることがある
ただし適用条件は限定的
状態が悪い車の逃げ道ではない
事前確認が必須
「この車、クラシック枠でいける?」 これは 輸出前に確認しないと意味がない 項目です。
🔎NZTA(Waka Kotahi)公式 — 車両輸入に関する基準
Importing a used vehicleニュージーランドで車両を輸入する際の全体フローと基準(安全・排ガスなど)の案内ページ👉 https://nzta.govt.nz/vehicles/importing-a-vehicle/ nzta.govt.nz
Complying with vehicle standards and providing evidence輸入車がNZTA基準に適合していることを証明するための要件👉 https://nzta.govt.nz/vehicles/importing-a-vehicle/2-complying-with-vehicle-standards-and-providing-evidence/ nzta.govt.nz
Entry certification / Vehicle classes車両クラスごとのEntry Certification(登録前検査)の対象区分など👉 https://nzta.govt.nz/vehicles/importing-a-vehicle/4-entry-certification nzta.govt.nz
NZTA が定める「クラシック/スペシャルインタレスト車」(特例扱い)
Special interest vehicles年式・稀少性などによって、一般基準とは別の扱いになる可能性がある車両カテゴリ👉 https://nzta.govt.nz/vehicles/importing-a-vehicle/2-complying-with-vehicle-standards-and-providing-evidence/special-interest-vehicles nzta.govt.nz
※ このページでは、クラシック車・コレクター車として扱われる条件と申請手続きについて説明されています。 nzta.govt.nz
参考(年式基準に逆説的に触れている公式情報)
Environmental standards for vehicles年式が**20年以上/special interest(クラシック)**の車に対して排ガス適合の例外ルールがあることが言及されています👉 https://nzta.govt.nz/vehicles/vehicle-types/vehicle-classes-and-standards/environmental-standards
② 登録までの流れ(意外とすぐ乗れない)
「車がニュージーランドに着いたら、あとは検査して登録するだけ?」と思われがちですが、その前にやることがあります。
それが、輸入通関・関税・GST(消費税)の支払いです。
■ まずは「到着後の輸入通関」
車両がニュージーランドの港に到着すると、
船会社から Arrival Notice が発行
輸入者(本人または代理人)名義で輸入通関(Customs Clearance) を実施
この段階で、
輸入者情報
車両情報
インボイス
B/L(船荷証券)
などがチェックされます。
この通関が終わらないと、車は港から出せません。
■ 関税とGSTの支払いについて
通常の個人輸入車の場合、ニュージーランドでは以下が課されます。
関税(Customs Duty)
GST(Goods and Services Tax / 消費税)
GSTは、車両価格+運賃+保険+関税等を含めた金額に対して課税されるのがポイントです。
「車が安かったのに税金が高い…」となるのは、ここが理由です。
■ 個人所有車の免税がある場合
免税条件を満たす場合は、(⑤で詳しく説明してます)
関税
GST
が 免除される可能性 があります。
ただし、
条件確認
書類チェック
税関の判断
が必要なため、必ずしも自動的に免税になるわけではありません。
免税を希望する場合は、日本出港前からの事前確認が必須です。
■ 通関後にやっと「検査・登録」へ
輸入通関と税金の支払い(または免税処理)が完了すると、
車両を港から引き取り
輸入検査(Compliance Inspection / Entry Certification)
必要に応じて修理・是正
登録(Registration)
ナンバープレート発行
という流れに進みます。
検査は通関後でないと受けられません。
■ よくある誤解
「検査が先で、税金はあと」→ 違います
「登録できなかったら税金は払わなくていい」→ 原則、通関時点で発生します
「免税は現地で言えば何とかなる」→ なりません
■ 正直な話:ここでトラブルが一番多い
実務上トラブルになりやすいのは
免税できると思い込んでいた
税金の計算イメージがズレていた
輸入者名義が曖昧
書類が揃っていない
結果として、
港で車が動かない
想定外の保管料がかかる
手続きが長期化
というケースが起こります。
■ まとめ:NZは「通関 → 税金 → 検査 → 登録」の順番
ニュージーランドでは、
輸入通関
関税・GST支払い(または免税処理)
輸入検査
登録
この順番が基本です。
「とりあえず送って、着いてから考える」 これは一番コストが膨らみやすいパターンです。
③ 交通事情:日本人には運転しやすい?
これは朗報。
右ハンドル
左側通行
日本人にはかなり運転しやすい国です。
ただし、
スピード制限は厳しめ
ラウンドアバウト多め
郊外は道が細い+羊が出る(本当)
「車検ないから楽でしょ?」と思われがちですが、WOF(定期安全検査)があり、状態が悪い車は普通にNGです。
④ ニュージーランド、日本車だらけ
結論。
NZは日本車天国です
特に多いのは、
Toyota
Nissan
Mazda
Subaru
Honda
理由は単純で、
壊れにくい
部品がある
中古輸入の実績が豊富
日本車だから不利、はほぼありません。むしろ変に欧州車の方が後で泣きます。
⑤ 「すでに持っている車」なら免税になる?
ここ、かなり誤解が多いところ。
ニュージーランドには個人所有車(Personal Import)の免税制度があります。
条件を満たせば、
関税
GST(消費税)
が免除される可能性があります。
免税の主な条件
一般的には、以下が見られます。
本人名義の車であること
12か月以上所有・使用していること
商業目的ではないこと
本人がNZに居住・移住すること
※ 最終判断はNZ側です。
⑥ 12か月所有って、名義だけでOK?
ここも注意。
「名義が12か月あればOK」ではありません。
実際に本人が使っていたか
直前で名義を動かしていないか
使用実態も見られます。
ほぼ乗っていない車や、直前に名義変更した車は、免税が認められないことがあります。
⑦ ローンが残っている車はどうなる?
結論から言います。
ローンが残っている車は、免税が使えないケースが多いです。
多くのローンでは、
所有者:信販会社
使用者:本人
という形になっています。
この場合、
法的な所有権は本人ではない
個人所有車とは見なされない
免税条件から外れる可能性が高い。
さらに、
所有権解除ができない
抹消登録ができない
という理由で、輸出自体ができないケースもあります。
⑧ 弊社の輸出フローと免税対応について
弊社の通常フローは、
車両をお預かり
関連会社名義に変更
友好輸出業者として輸出
という、書類・検査トラブルを避ける安全重視設計です。
この方法では、個人免税は使えません。
免税を希望される場合
免税対応をご希望の場合は、
本人名義のまま
輸出抹消登録
本人の車として通関
という形を取ります。
ただし、
書類確認が増える
条件チェックが厳密
通常とは異なる通関対応
が必要になるため、追加費用が発生します。
⑨ 重要:必ず「事前」に相談してください
免税の可否は、
名義
所有期間
ローン有無
使用実態
渡航状況
これらを総合して判断されます。
出港直前や、手配が進んでから「免税でいけますか?」は、対応できません。
免税を希望される場合は、必ずご契約前にご相談ください。
⑩ 正直な話:免税が一番とは限らない
免税が使えても、
追加手続き費用
審査時間
書類の手間
を考えると、
税金を払って通常フローで確実に輸出した方が結果的に安く・早い
というケースも珍しくありません。
まとめ
NZは日本車に優しいが、検査は厳しい
車選びが9割
免税制度はあるが条件はシビア
12か月所有・ローン残債は要注意
免税希望は必ず事前相談
状況次第では通常輸出の方が安全
ご自身のケースに当てはまるか確認したい方は、
こちらからご相談ください。

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